今回答えてくれるのは―
学校法人 鳥取ルーテル幼稚園 園長 田中 信恵さん
はじめまして私の名前は田中信恵と申します。
独身時代、幼稚園で無我夢中で働き33歳で結婚。当時としては晩婚でしたが、夢いっぱい新しい家族と暮らしました。彼は無口な人でしたが私は仕事上、言葉を大切に考えていたので、必要以上にしゃべっていました。
はじめは「ようそんな恥ずかしい事が言えるわ、よう言わん。」と言っていた彼が徐々に心の中にある言葉を少しずつ言えるようになりました。「子どもは怖い、自分みたいな子が生まれるのは嫌いだけぇお父さんにはならん」と拒んでいましたが甥っ子を初めて抱っこして…抱っこして…ずーっと抱っこしていました。そんな姿を見て私は心の中で「あなたはステキなお父さんになるよ~」と言っていました。その二か月後、不慮の事故で彼は亡くなってしまいました。
皆さん人生は何が起こるか分かりません。心の中にある嬉しいこと苦しいこと心配なことはきちんと相手に伝えましょう。恥ずかしいと思わないで頑張って言葉にしていきましょう。そしてスキンシップ(触れ合い)を大切にしましょう。私は子どもを産むことは出来ませんでしたが、妹の子育ての手伝いをさせてもらえました。人生いろいろありましたが、私は30年後に浦島太郎状態で幼稚園に復帰しました。ですから今のお父さんお母さんを見ると本当に頑張っておられるなぁと思います。いろんな情報が飛び交い、受ける刺激が多く「○○であるべき」とか「○○じゃないのは…」などなど情報過多状態、知識が豊富すぎてがんじがらめではないですか?
私は幼稚園に仕事を終えて迎えに来られたお母さんや保護者会で話す時などに「無理してませんか?」「自分を甘えさせてあげてね」「スキンシップを大切にしてね。恥ずかしいのは分かるよ!でもね、エイッてやってみたら平気になって普通になって、必要になっていくから」「人生は何が起こるか分からないよ。だから心残りのない毎日であってほしい」と言っています。
子どもたちは幼くても、きちんとママ・パパのことを見ています。分かっています。『今日は元気がないぞ~』『今日は静かにしとこ~』などと見抜かれていますよ。だから我慢しないで本音を言いましょうよ。子どもたちは聞いてくれますよ。「今日ね熱はないけど何だかしんどいんだがぁ」と、そうすれば子どもたちも『あっそうか!何だか分からないけど困った時には言ってもいいんだ~』と、子どもたちも心の内を発してくれるようになります。色々なことが中途半端でも、抱え込まずに子どもやパートナーや兄弟姉妹、親御さんに相談してみませんか?「どうしたらいいか一緒に考えてぇ!」ってね。幼くても幼いなりに一生懸命考えてくれますよ。
独りで頑張ってやり遂げたいタイプの方がいらっしゃるかもしれません。ではあっても、心と身体を…自分を大切にしてほしいんです。
ごめんなさい。答えになっていないですが、私はそう思います。あなた自身の心と身体が元気でありますように。
幼稚園では子どもたちは登園したら「仕事」と称して身の回りの準備と片付けをしています。毎日、同じことの繰り返しを当たり前に行っています。それらが全部終わって好きな遊びを始めます。ですから出来るんです。自分のカバンは自分で持てます。親御さんの方が、“幼い子ども扱い”から脱却できていなくはないですか。片付ける場所や位置をきちんと決めてあげて一緒に片付けることも大切です。3歳児は4歳児5歳児をモデルに見て覚えながら片付けます。幼稚園・保育園に通っている子達も園での片付けは出来ていますから、お家でも片付ける場所を一緒に考えて一緒に作っていくことも大切ですし、できた時には褒めてあげることも勿論大切です。洋服の畳み方一つとっても、小さな手でクシャッとなって畳む姿はなんとも可愛いものです。続けていけば上手になっていきます。ですから、最初から完成形を求めるのではなく、少しずつ上手になると考えて多少のクシャはゆるしてあげましょう。綺麗に仕上げることよりも、挑戦する気持ちの方を大切にしてあげて下さい。そうするとその先にいろんなことが出来るようになりますよ。
子育ての現場からとは
子育てをしていると、子どものことやママ自身のことなど、とにかく悩みは尽きません。そんな悩みを抱えているママに向けた、解決のヒントをご紹介します。
様々な回答者の、経験から培った考え方に触れて、行き詰まった時の参考にしてみてくださいね。