こどもの感染症は、季節によって流行するものがあり、ママは1年中気を遣いますよね。
たとえば、夏はプール熱、冬はインフルエンザなど、聞いたことがあるものばかりだと思います。
そして、それらは月齢・年齢が低ければ重症化するリスクもあります。
保育園や幼稚園での集団生活、兄弟・姉妹間での家庭内感染など、どれだけ気を付けていても、感染力の強い病気は予防が難しいですよね・・・。
ここでは、感染症が冬に感染力を増す理由や、特徴と対処法、予防方法についてご紹介します!
正しい知識をもってこどもたちの感染症と向き合うことで、正しく予防が出来たり、罹患しても重症化を防げたりします。
Contents
なぜ冬に感染力を増す病気があるの?
小さなこどもを育てていると「冬がくると風邪がこわい」と思っている方は多いと思います。
私自身、3歳と0歳の兄弟を育てていますが、冬になると常に鼻水や咳を恐れて生活しています。
冬の感染症の特徴として
- 高熱やひどい下痢
- 嘔吐
- 咳・鼻水・呼吸器症状
などが挙げられます。
冬に感染力を増す病気が多い理由は、低温・乾燥を好むウイルスや細菌が多いためです。
冬の感染症の代表格ともいえるインフルエンザや、感染性胃腸炎をおこすウイルスも低温・乾燥を好んでいるため、冬は生存率があがって感染力を高めるのです。
また、冬の乾燥している空気だと、ウイルスを含む咳やくしゃみの飛沫が小さくなり、遠くまで飛んでいけるのです。
冬に特に流行しやすいこどもの感染症
こどもたちの間では、冬は低温・乾燥を好むロタウイルス・インフルエンザ・RSウイルスが特に流行します。
ここでは、3つの感染症の症状や治療法、注意点について詳しく説明します。
ロタウイルス性下痢症(乳幼児嘔吐下痢症)
ロタウイルス性下痢症の特徴は灰色〜白っぽい粘土質の下痢便、激しい嘔吐です。
ウイルス性胃腸炎のひとつで、「冬季嘔吐下痢症」「白色便性下痢症」とも呼ばれます。
感染力も強く、脱水などで重症化しやすいため2020年8月~公費でロタウイルスワクチンを受けられるようになりましたね。
潜伏期間 | 24~48時間 |
特徴 |
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症状 |
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経過 |
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治療 | ロタウイルスに効果的な薬はなく、整腸剤や吐き気止めの処方などの対症療法を行う。
月齢が低い場合は、重い脱水症になることがあるため、点滴・入院をすることもある。 水分が摂れる場合でも、一度にたくさん摂ると吐いてしまうことがあるため、少しずつ与える。 |
注意点 | 急激に体内の水分が奪われるため脱水症状に注意が必要。
→このような症状があればすぐに受診しましょう! 嘔吐や下痢で体内のウイルスを排出して良くなりますので、市販の制吐剤や下痢止めを自己判断で与えないようにしてください! |
ケアのポイント | 便や嘔吐物が付着した衣類でも、家庭内感染を起こします。
1週間は洗濯物を分けて洗うようにしましょう。 |
インフルエンザ
インフルエンザウイルスによる重症のかぜ症候群です。
潜伏期間 | 24~48時間 |
特徴 |
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症状 |
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経過 |
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治療 | インフルエンザには効果的な抗ウイルス薬あり。
発症から48時間以内の初期に投与することが重要で、それ以降であれば効果が薄い可能性がある。 その他、解熱剤や細菌感染を防ぐ抗生物質の処方をされる。 |
注意点 | 数時間〜数日のうちにインフルエンザ脳症を発症する可能性があります。
アセトアミノフェン以外の解熱剤を使用すると、発症リスクが高まるため、自己判断で市販薬を与えないようにしましょう。 |
ケアのポイント | ウイルス感染よって免疫力が低下し、他の細菌に感染することがあります。免疫力を向上するため、栄養バランスの整った、消化のいい食事で、内臓に負担をかけないようにしましょう。 |
RSウイルス感染症(細気管支炎)
RSウイルスによる感染症で、月齢の低い子は肺炎の原因になりやすいです。
潜伏期間 | 72~96時間 |
特徴 |
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症状 |
重症になると
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経過 | 1週間程で回復する(5日目がピークと言われている) |
治療 | 効果的な薬はなく、鼻水や痰を出しやすくする薬などの対症療法となる。 |
注意点 | 月齢が低いと肺炎に移行しやすいため、特に注意が必要。
呼吸の度に、肋骨の下がへこむような陥没呼吸をしている時は、すぐに受診を! |
ケアのポイント | 呼吸状態の変化や、水分摂取量、おしっこの量など観察していきましょう。
鼻水は自宅でおふろの後などに吸ってあげましょう。。 |
感染症の予防法は?足洗いがおすすめ!
新型コロナウイルスが流行してから、家庭でも感染予防が当たり前になりましたよね。
冬の感染症も同じく、
- 手洗い
- うがい
- 足洗い
- 消毒
- 加湿
が大切です。
ここで特におすすめしたいのは、足洗いです。
保育園や幼稚園では、裸足で過ごすことも多いと思います。
床に落ちているウイルスは、足によって家庭内に運ばれ浮遊し感染します。
また、ハイハイしているような小さな子は、床との接触が多く、さらに感染しやすい状況です。
帰宅し、手洗い・うがい・足洗い→着替え(そのままおふろに入るのもいいですね!)がルーティンになると理想的です。
また、自己免疫力をあげることも大切です。
- リズムの整った生活
- 栄養バランスの整った食事
- 質の良い睡眠
これらは、自律神経を整え、病気に対抗する免疫力を高めてくれます!
ヨーグルトなどの発酵食品や、納豆や味噌などの大豆食品を摂ることもおすすめします。
もし感染症になってしまったときの対処法は?
どれだけ予防に気を遣っていても、感染症になることはあります。では、対処法についてご説明します。
しっかり水分を摂らせてあげましょう
もし感染症になってしまったときは、焦らずしっかり水分を摂らせてあげましょう。
そんな時のために経口補水液を常備しておくとよいでしょう。
ドラックストアなどで、こどもでも飲みやすい味付きも販売されています。
消化のよい食事で身体を休めてあげましょう
感染症発症により、体力が低下しているときは、内臓の動きも弱くなっています。
おかゆやうどん、卵など消化のよい食事を摂り、しっかり休息させてあげましょう。
しっかり睡眠をとらせてあげましょう
月齢や年齢が低いと、ぐずぐずして眠れなかったり、ママ・パパも大変ですよね・・・。
熱が高いときは、解熱剤(座薬など)を使用して様子をみましょう。
汗をかくとベタベタで気持ち悪く寝付けないこともあるため、適宜着替えもさせてあげましょう。
熱性けいれんに注意
熱性けいれんは生後6カ月〜5歳の乳幼児に多く、発熱時に全身がけいれんする病気です。
一度経験すると、半数以上が繰り返しますが、6歳頃までにはほとんど起きなくなります。
原因は、発達途中の脳が急激な体温の変化に対応できず、けいれんを起こすことにあります。
両親が熱性けいれん経験者であれば、こどもにも遺伝しやすいと言われています。
通常2〜3分でけいれんは治まるため救急車を呼ぶ必要はなく、翌日にかかりつけ医を受診しましょう。
しかし、稀に5〜10分と長く続いたり、意識がなかなか回復しなかったりするときは救急車で病院を受診しましょう。
痙攣中は身体や顔を横向きにして(なるべく右側)、唾液や嘔吐物を誤嚥(気管にはいってしまうこと)しないようにして様子見をしましょう。
対策としては、発熱初期(37.5〜38℃)にジアゼパムという座薬を使用して、けいれん発作を予防することです。
しかし、実際にけいれんしている姿をみると焦って不安になってしまいますよね。
母の勘というのはとても大切です。けいれんが治まっても心配なときは、夜間救急などを受診しましょうね。
まとめ
こどもたちの健康のために、ママは毎日気を遣って生活しておられると思います。
寒い冬を、楽しく元気に乗り越えていきましょう!