子どもの予防接種って必要なの?予防接種を詳しく解説します!

こんにちは、看護師ママのhinacoです!

今回は、生後2カ月頃〜接種開始する子どもの予防接種についてお話します。

 

現在、多くのワクチンが定期接種となっているため、ママとしては忙しいですが、定期接種のおかげで、日本では感染症に怯えない生活ができています。

 

産後体調がまだ戻らない時から接種券や予診票、病院の予約など忙しく、「頭が回らない!」と思うママも多いと思います。

日中仕事のパパには頼れず(予診票はぜひ書いてもらいましょう!)、不安もありますよね。

 

この記事では、各予防接種の詳細や注意点、同時摂取が可能か、ママが気を付けておきたいポイントなどをご紹介します。

 

これから予防接種が始まるというママも、もう既に始まっているママも今後の参考にしてみてくださいね!

 

そもそも予防接種ってなに?

生後半年〜12カ月のあいだは、お母さんのお腹の中にいた時にもらった、母体由来の免疫が機能しています。

成長と共に徐々に母体由来の免疫はきれて、赤ちゃん自身の免疫で体を守っていくことになります。

 

しかし、赤ちゃんの免疫機能はまだまだ未熟なため、病気に掛かってしまうと重症化するリスクがあります。

そのため予防接種でワクチンを接種することで、病気への抵抗力をつけていきます

予防接種とは

予防接種とは、ワクチンを作り体内に接種することで、その病気への抵抗力を作ることを言います。

ワクチン(予防接種液)は、病気の原因となるウイルスや細菌の毒素を弱めて作られています。

病気の種類によっては、ワクチンが作れない感染症もあります

予防接種の効果とは

予防接種は、その病気にかからないようにするだけではありません。

予防接種をしても、病気にかかってしまうことはありますが、重症化を防ぐことができます。

ワクチンの種類と特徴

ワクチン(予防接種液)は、2種類に分けられます。

小児科などで耳にしたことがある方もおられると思います。「名前だけは知ってるけど・・・」という方は、この機会にぜひ詳しく理解してくださいね♪

 

生ワクチン

生ワクチンとは、生きたウイルスや細菌の毒性を弱めたものです。

弱い毒性で感染し、体内で免疫を作り出す方法です。

接種後に体内でウイルスや細菌が増殖するため、発熱症状が出ることもあります。

十分に免疫が獲得できるのは、約1カ月後です。

例)

麻しん風しんワクチン BCG おたふくかぜワクチン
水ぼうそうワクチン ロタウイルスワクチン 黄熱ワクチン

 

不活化ワクチン

不活化ワクチンとは、細菌やウイルスを殺し抵抗力をつくるのに必要な成分を、毒性をなくして作ったものです。

体内で免疫をつくるのに必要な成分を注射する方法です。

生ワクチンと違い、体内で増殖しないため、免疫がつくまでに数回接種が必要です。

例)

日本脳炎ワクチン 四種混合ワクチン B型肝炎ワクチン
Hibワクチン 肺炎球菌ワクチン 季節性インフルエンザワクチン

 

予防接種の対象となる病気について

予防接種には、それぞれ対象となる病気があります。

ここで詳しくご説明します。

 

ロタウイルス感染症

ロタウイルス感染症はおもに、5歳未満の乳幼児に多くみられる急性胃腸炎です。

下痢や嘔吐、発熱が見られます。稀に急性脳症をおこすこともあります。

何度も感染、発症する病気ですが、初感染がもっとも重症になりやすいため、ワクチンで重症化を予防することが大切です。

 

ロタウイルスワクチンは、経口の生ワクチンです。

1価のロタリックスと、5価のロタテックがあります。

 

ロタウイルスには多くの型が存在します。

1価のロタリックスはもっとも感染率が高いロタウイルスへの免疫を付けてくれます。経口回数は2回。

5価のロタテックは、その他4種類のロタウイルスについても免疫をつけてくれます。経口回数は3回。

 

とはいえ、1価が劣っている訳ではなく、1価であっても他の型にも効果を発揮するため、効果の程度としては同等であるので、安心してください。

2020年10月1日から、定期接種対象になり、全額公費負担となりましたね。

 

副作用として、腸重積症が挙げられます。発症は稀ですが、ワクチン接種後は、お子さんの様子を注意深く観察してあげてくださいね。

 

B型肝炎

B型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎や慢性肝炎、劇症肝炎になる可能性があります。

また、肝硬変・肝がんなどの原因にもなります。

 

B型肝炎ワクチンは、皮下注射の不活化ワクチンです。

Hib(ヒブ)感染症

Hib感染症は、インフルエンザB型で、中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎などの感染症のほか、髄膜炎・敗血症・肺炎などの、重症感染症の原因になります。

 

肺炎球菌感染症

肺炎球菌ワクチンは、細菌

性髄膜炎・菌血症・肺炎・副鼻腔炎といった病気を引き起こす肺炎球菌感染を予防するワクチンです。

 

不活化ワクチンで、追加接種をふくめ計4回接種します。

ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオ(四種混合)

四種混合ワクチンは、ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオを予防するワクチンです。

不活化ワクチンで、追加接種をふくめ計4回接種します。

 

ジフテリアは、高熱・のどの痛み・犬の吠えるような咳・嘔吐などの症状があり、偽膜とよばれる膜がのどにでき、窒息してしまう可能性もある病気です。

菌の出す毒素によって、心筋障害や神経麻痺を起こすこともあります。

 

百日ぜきは、普通の風邪のような症状ではじまり、徐々に咳が酷くなります。

乳幼児は咳で呼吸がうまくできず、くちびるが青くなったり、呼吸が突然止まってしまうこともあります。

肺炎や脳症などの合併症のリスクも高く、新生児や乳児では命を落とすこともある怖い病気です。

 

破傷風は、土などにいる破傷風菌が、傷口から体内へはいりこむことで感染します。

菌からだされる毒素で、強直性けいれんをおこします。

治療が遅れると、命を落とす可能性もある病気です。

 

ポリオは「小児まひ」と呼ばれる病気です。

ポリオウイルスに感染すると、発熱・頭痛・嘔吐などの風邪症状がみられます。

一部のヒトには、手足の麻痺を引き起こし、一生その麻痺が残ることがあります。

1960年代前半までは日本でも流行していたポリオですが、予防接種の効果で、2000年にWHO(世界保健機関)は日本を含む西大西洋地域のポリオ根絶を宣言しました。

 

結核

結核を予防するために、はんこ注射とよばれる生ワクチンBCGを接種します。

結核は、昔の病気のように思われがちですが、実は毎年2万人が発症している病気です。

 

結核症による、結核性髄膜炎などの重症化を防ぐことが分かっているため、BCGワクチンは、生後1歳までに接種します。

経過として、接種してから10日前後で赤いポツポツがみられ、接種後4週間頃に小さい膿(うみ)ができることがあります。

その後かたぶたになり、自然に治癒していきますので、消毒や保護はせず清潔に保つようにしましょう。

跡は残りますが、結核菌への免疫がついた証拠です。

 

腕の上の方に注射するのは、いちばんケロイドなどの皮膚病変のリスクが低いためです。

麻しん・風しん

麻しん風しんは、発疹を主症状として発熱・リンパ節腫脹などがみられます。

重症化すると、脳症を引き起こす可能性もあります。

 

風しんは20週までの妊婦さんが感染すると、先天性の心臓病・白内障・聴力障害・発育発達遅延などの障害をもった子どもが生まれる可能性がかなり高くなります。

 

麻しん風しん(MR)混合ワクチンは、生ワクチンで1歳を過ぎたらなるべく早く接種します。

小学校就学前の1年間に、第二期を接種します。

 

水ぼうそう

水ぼうそうは、かゆみを伴う発疹・発熱の症状がある感染症です。

初感染で症状がみられます。

 

赤いポツポツした発疹から、徐々に水ぶくれになりかゆみを伴います。

乾燥してかさぶたとなり治癒する経過をたどります。

 

水ぼうそうワクチンは生ワクチンで、麻しん風しんのMRワクチンとの同時接種が可能です。

1歳に1回目の注射をうち、半年〜1年後に2回目を接種します。

 

日本脳炎

日本脳炎ウイルスは、豚などの体内で増えたウイルスが蚊によって媒介され感染します。

発症すると、高熱・頭痛・嘔吐・意識障害・けいれんなどの症状がみられ、重症化すると急性脳炎になる可能性があります。

 

ヒトからヒトへの感染はありません。

 

国内では、鳥取県も含めた西日本地域を中心に患者が発生しています。

本来は3歳から接種対象となっていますが、追加接種として、早めに接種を開始することも可能です。

 

ヒトパピローマウイルス感染症

ヒトパピローマウイルス(HPV)とは、特殊なウイルスな訳ではなく、多くのヒトが感染しますが、その一部が子宮頸がんを発症します。

 

HPVに感染しても、ウイルスが自然に検出されなくなることがほとんどですが、一部が時間をかけて(数年〜数十年)病変し、子宮頸がんを発症するのです。

 

ワクチンでHPV感染を予防するとともに、定期健診でがん病変を早期発見することが大切です。

 

予防接種で副反応が起きた時はどうしたらいいの?

毒性を弱めているワクチンですが、副反応が起こることもあります。

お子さんのために、副反応について正しく理解し対応していきましょう。

 

通常の副反応

  • 発熱
  • 注射部の発赤・腫脹(はれ)
  • 硬結(しこり)
  • 発疹

数%〜数十%で認められます。

通常、数日で自然治癒するので心配はいりません。

 

重症の副反応

  • 注射部のひどい腫れ
  • 高熱
  • ひきつけ

上記のような症状があった場合は、病院を受診しましょう!

お子さんの症状が予防接種後副反応疑い報告基準にあたる場合は、医師から独立行政法人医薬品機器総合機構へ報告されます。

 

また、極めてまれですが、百万~数百万人にひとりの割合で

  • 脳炎
  • 神経障害

などの重い副反応がおこる可能性もあります。

 

予防接種による健康被害救済制度について

予防接種によって、生活に支障がでるほどの健康被害がある場合、予防接種法に基づく給付を受けられます。

健康被害の程度に応じて区分分けされ、給付金が決まります。

 

給付申請の必要がある場合は、お住まいの市町村の予防接種担当者へ相談しましょう!

 

予防接種のスケジュールについて

予防接種の種類によっては、同時接種が可能なものもあります。

これは母子手症の1ページです。

このように、予防接種開始時期が同じものは同時接種も可能です。

うちの子どもたちは、経口・注射で合わせて5つの予防接種を同時に打ったこともあります。

一度に打てるので、何度も病院に行く必要ないのがメリットです。

しかし、もしアレルギー反応が出た時、どの予防接種で反応が出ているのか分かりにくいことがデメリットです。

 

予防接種の記録をしている欄をよくみると、「右手」「右足」など、どの予防接種をどこに打ったかが記されていますので、確認してみてくださいね。

予防接種に行く前にチェックしましょう!

  • お子さんの体調は良好ですか?
  • 本日受ける予防接種について、必要性や効果・副反応は理解していますか?
  • 母子手帳を持っていますか?
  • 予診票は記入しましたか?

ワクチンは、お子さんの体調がいい時に打つのが原則です!

予定を見直すことになっても、お子さんの体調を第一優先にしましょうね!

 

予防接種を受けた後の注意点

予防接種を受けた後、アナフィラキシーショックという症状が起こるのは、接種後30分間が一番多くみられます。

その時間は、院内で過ごしたり病院の近くで過ごしたり、何かあってもすぐに受診できる体制を整えておきましょう。

 

まとめ

新生児訪問で予防接種券をもらい、「打つのが当たり前」になっているかもしれませんが、予防接種をうつ意味を理解すると、より予防接種の必要性が分かってきますよね^^

 

もちろん、ママだけでなくパパにもしっかり理解して頂けると嬉しいです!

効果や副反応について、正しく理解し対応できるとお子さんも安心です。

 

注意点としては、定期接種の対象年齢(月齢)ではなくなると、すべて自費負担になってしまうため、接種対象期間を確認しましょう。

 

この記事が、予防接種の理解へのきっかけになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

参考:公益財団法人予防接種リサーチセンター「予防接種と子どもの健康」

hinaco
hinacoママライター
0歳と3歳の男の子ママです。 鳥取県在住、看護師をしています。 健康関係や子ども連れのおでかけについて紹介していきます!

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